走ることとどう向き合うのか?というお話

昨日、お昼ご飯を食べていたらこんな記事を見つけました。

私は外国の大会で現地の市民ランナーを応援することも多く、そうした活動を通じて日本との違いに気付きました。一言でいうと、日本のランナーはがんばりすぎ。サポーターやテーピングをした痛々しい姿で走る方も散見されますが、外国ではマイペースの走りを楽しむ方がほとんどです。

 日本人ランナーのそうした姿に違和感を覚えていることもあって、楽しいランニングを継続するための方法や具体的なポイントを、私の視点からお伝えできればと考えています。1回目は少々辛口になってしまいますが、「無理してまで走り続ける必要はない!」というメッセージをお届けしたいと思います。

“なんちゃってアスリート”要注意 楽しく長く走るコツ 有森裕子 :日本経済新聞

タイトルに「なんちゃってアスリート」と書かれているので反発する人もいたようですが、内容はしごくごもっともというかそうだよなというものでした。

わたしもダイエットのために一人で黙々とジョギングをしていたときはタイムなんて気にせず気持ちよく走っていたのですが、マラソン大会に出るようになってからはタイムばかりを気にするようになり、怪我をしたときも走ることを止めずにズルズルと引きずってしまいました。1年以上も怪我を抱えたまま走ったために走力はまったくのびなかったしむしろタイムは走り始めたころよりも悪くなるありさまでした。

今年の7月に足の痛みも落ち着いてきたので練習を再開して10月に入ったあたりでやっと1年前とほぼ同じくらいのタイムで走れるところまで走力を戻したのですが、ここ最近本当にこのままでいいのかな?と思うことが何度かあってずっともやもやしていました。


上でも書いたとおりもともとはダイエットのために走りだしたのですが、いつしか体重よりもタイムばかり気にするようになっていました。

ではなぜそうなってしまったのか?と考えてみるとその理由は明白で「結果が出やすいから」です。
わたしは身長169cmで体重が64kgと体重が比較的多めですが、それでも標準的な範囲に収まっているためか体重は簡単には落ちません。たぶんご飯をたくさん食べるのをやめられないからだと思うのですが、とにかく走り始めてから体重はまったく減っていません。逆に増えてもいませんけど。


ところが走っていればマラソンのタイムはとにかくよくなります。

とりわけ走りはじめのころはびっくりするくらい簡単にタイムが改善されていきまして、もう大会に出るたびに自己ベスト更新の勢いです。最初は10kmを50分でしか走れなかったわたしが、1年で10kmを40分、ハーフを90分で走れるようになっているわけですからその変化は顕著です。走れば走るほどより速く、そしてより長い距離を走れるようになっていくわけですからその達成感たるやものすごいです。

速くなれば順位も上がるし、なんかもう楽しいんですよね。すごく楽しい。


でもその楽しさが一種の快感になってしまって練習に熱が入り過ぎい、怪我で走れなくなったり疲れがたまったりして走ることそれ自体が嫌になってしまうという人は決して少なくありません。正直、わたしも最近そんなことを考えていました。

せっかく走ることを好きになったのに走ることができなくなったり走りたくなくなってしまって止めてしまうのはたしかにもったいないなと思うし、有森さんはこの記事をとおして市民ランナーがそんなふうに消耗してしまうことに対して警鐘を鳴らしているんだと思います。


わたしもタイムだタイムだとこの2年間張り切って練習してきたし50の大会に出て走ってきましたが、最近ちょっと練習も大会もオーバーペースでつらいし走ることも以前ほど楽しくないと感じる瞬間が増えてきたように感じています。キロ5分ペースで20kmくらいをタラタラ走るのはすごく好きだし気持ちいいと思うのですが、わたしはそんなふうに気持ちよく走るだけではもったいないと思ってしまい、いつの間にか心肺と足に負荷をかけようと走るペースをどんどんあげてハードな練習に仕立てあげてしまいがちです。


タイムにこだわらないというのはいまのわたしの心境ではすごくむずかしいのですが、タイムもすごく大事だし無視することはできませんが走ることそれ自体を楽しんで長く楽しむことを第一に考えたいなとこの記事を読んで考えを変えました。

タイムを出すために走らなきゃと思いながら走ることが最近はすごくつらいので、今日からはとにかく楽しめるだけ楽しんで走ってみようと思います。

もちろん「タイムのことはもう気にしない」なんて言えませんが、なんちゃってアスリートを気取るのはもう卒業したいです。