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嬬恋村の思い出


昨日から今日にかけて、群馬県嬬恋村に行ってきました。

目的は本日開催された「第8回嬬恋キャベツマラソン」に参加するためでしたが、いろいろとよい経験をしてきたのでそのあたりを記録しておこうと思います。ちなみにちゃんとしたレースのまとめは改めてするので、今日はタイム等についてはノーコメントで。

前置き

マラソンを始めた2年前からずっと気になっている大会がありました。

それは「嬬恋キャベツマラソン」という大会でして、群馬県嬬恋村で7月第1週に開催されている大会です。
この大会の何が気になるのか?というと「日本一過酷なロードレース」と銘打たれているところでして、「ほんとかよ!」という疑わしく思う気持ちと「どのくらい厳しいんだろう?」という純粋な好奇心が相まって非常に興味をもってしまいました。

ところが、この大会が開催されている7月第1週というのは二本松市で「東和ロードレース」が開催されている日でもあります。



東和ロードレースは毎年出たいと思っている大会ですし、いざ嬬恋か二本松かを選ぼうと考えてみると宇都宮から見て距離的な面で利のある二本松をどうしても優先的に選んでしまいます。だって二本松までは車で2時間だけど嬬恋は4時間ですよ....。

そんなわけで過去2年は泣く泣く参加を見送っていたのですが、今年は7月の第1週ではなく第2週に開催されることになったためなんと東和ロードレースを諦めなくても参加できることになりました。



日程変更の理由は「群馬県知事選の投票時と日程とかぶってしまったため」ということでしたが、一般的にマラソン大会って開催日時は毎年変えないことを考えると非常にめずらしいケースです。わたしが知るかぎり、開催日時を変えたケースというのはほとんど記憶にありません。


これはもう千載一遇のチャンスというか、神様から「一度は嬬恋で走りなさい」という思し召しだと思うことにして張り切って行ってきました。

大会前日

嬬恋村までは車で4時間半かかるそうですので、前日移動して前泊することにしました。

今回は車で移動したのですが、「道路を間違ってしまったこと」と「宿泊場所を見つけられず右往左往した」ために移動時間は6時間近くかかりました。6時間あったら実家に帰省できるわ...。

ギリギリ*1で前日受付を無事済ませてから宿泊地である「東海大学嬬恋高原研修センター」へ移動。



この宿泊場所は会場に近いらしいということと値段が比較的安いという理由で選んだのですが、いざ行ってみたら会場まで歩いて5分くらいしか離れていないという絶好の立地でした。ここだったらスタート直前までゴロゴロできる!


さらにチェックイン手続きをしながら受付の人にいろいろ聞いてみると、翌日の大会開催中は「車や貴重品を預かってくれる」とか「走り終わった後にはここでお風呂入っていいよ」なんてことを教えてもらい、「これはかなり当たりくじを引いたかも!」とテンションがグッとあがりました。

やったね!とウキウキしながらチェックイン手続きをしていると「いとっと様は本日9人の相部屋になりますね」と言われて、思わず「え?」と固まってしまいました。

9人...。

相部屋と言うのは知っていましたが、まさか9人部屋とは知りませんでした。
そんなわけであがったテンションも一気にさがってしまったのですが、とりあえず気を取り直して部屋まで行ってみると意外にみなさんいい人であっさりと溶け込んでしまいました。といっても別に仲良く和気あいあいと話が盛り上がったわけではなくて必要なことを伝え合う程度で、みんな過度に干渉することなく自分の好きなことをやっていただけなんですが、とくに大勢でいることが苦に感じられることも無くて心配していたほどつらくは感じませんでした。

もちろん初対面の人同士だったのでそれなりに気疲れはしましたがたまにはこういうのもおもしろいなと思いました。

お風呂は大浴場だと聞いていたので晩ご飯の前にさっそく入りに行くとわたし含め3人しかいなくてのびのびと体をほぐすことができました。研修センターという名にふさわしく、いかにも学校のイベントや部活の合宿で使いそうなお風呂でしてなんとなく懐かしさをおぼえました。こういうお風呂に入るのひさしぶりだなー。


やや長めにお風呂に入って部屋に戻ると急にお腹が空いてきたというか、そういえばお昼を食べてから何も口にしていなかったことに気づいたのでさっそく晩ごはんを食べに食堂へと移動。



バイキング形式でしたので思う存分食べたのですが、どれもすごくおいしくて大満足でした。とくにキャベツの千切りがめちゃくちゃおいしくてそのあまりのおいしさに感動してしまうほどでした。柔らかいし甘いしいままで食べたことないレベルのおいしさでした。

走る前に繊維質はあまりとらない方がよかったんだなーと途中で気づいたものの、まあハーフだしいいやと山のようなキャベツを食べちゃいました。これはマコ*2に食べさせたいのでお土産に買って帰ろうかとも思ったのですが、こればかりはこの場所にこないと食べられないよなと思い直して今度連れてきてキャベツ食べさせてびっくりさせようと心に決めたのでした。

のんびり晩ご飯を食べて部屋に戻るとご飯に行く前はなかった布団が敷いてあり、3割くらいの人がもう寝ようとしていました。


まだ20時前なんやで....。


これがウルトラマラソンの前日ならこの時間には寝てないとまずいというのはわかるんですが、嬬恋はハーフですからこんなに早く寝る必要ないじゃん...と思ったのですが、どうもみなさん普段から寝るのが早いようでして明らかに眠そうなんですよ。これはもう生活のリズムの違いというか、そもそもわたしのように毎日2時、3時まで起きてる方がランナー界隈ではマイナリティーであって早寝をするのが普通だということを認めざるを得ません。


ただ、たしかに早寝が正義であることは認めますがいくらなんでも20時には眠れません。

前日寝るのが遅くて(4:00くらい)起きるのが早かった(8:00くらい)ことや、嬬恋までの長時間運転がつらかったことを差し引いてもまだわたしが眠れる時間ではありません。しょうがないので部屋を抜け出してラウンジで読書したり携帯をいじって1時間ほど時間をつぶして戻ると煌々と灯りが付いたままで数名は既に眠りの世界に旅立っていました。この時間にこの明るさで眠るとか強すぎ。

残されたメンバーももう寝る雰囲気だったので、電気を消してわたしも布団に入って寝てしまおうとしたのですがやはりすぐには眠れず、さらに先に寝たメンバーの寝言やいびきが徐々に盛り上がっていって余計眠くなくなるという感じでなかなか寝付けませんでした。

23時消灯と書いてあったのであまりうろうろすることもできず、結局寝入ったのは23時30分過ぎでした。長い一日だった....。

大会当日

前日20時くらいに寝入ったメンバーは、やはりと言うべきか4時半くらいには起き出してごそごそとなにかし始めました。

10時スタートなのに4時起きとかふざけてんのかとキレたくなったのですが、そこはいい年した大人ですから布団をかぶって寝ることにしたのですが、結局生活音のうるさささに負けて5時過ぎには起き出しました。ものすごい大音量で目覚ましをかけておいてまったく起きない人とかほんと勘弁してほしいです(笑)


なんでおれまでこんな早起きをしなきゃいけないんだ...。


ただ、もともとは7時くらいに起きればいいやと思っていたので5時に起きたところでたいへん暇でしてやることがまったくありません。
しょうがないので、とりあえずお風呂に入ってからストレッチをして体をほぐしてそのあと会場に行ってみることにしました。

というのも、今朝は6時から当日受付が始まっていてそこではTシャツの販売を始めているらしく、だったら売り切れる前に買いに行っちゃえとブラブラ歩いて行ってみました。


会場に着いたのは6時半くらいでしたが、既に多くの人が集まっていてTシャツはバンバン売れに売れていました。こんな早朝から...。

わたしもさっそくサイズSをひとつ買い求め、あとは会場の写真を撮りながらブラブラと歩き回りました。浅野6時からこんなふうにやっているということは、実際にはかなり早くから準備をしてくれていたんだろうなと思うしそれだけでもすごくありがたいなと思いました。


そして戻ってきて7時くらいから朝ごはんをいただきました。



あい変わらずキャベツがすごくおいしかったです。


9時にチェックアウトを済ませてから歩いて現地へと移動し、10時からスタート。
涼しくて肌寒さを感じていた昨日までとは違い、今日はかなりつよい日差しに終日さらされました。もうめちゃくちゃ暑かったし、アップダウンは予想以上にきつくてうんざりしました。さらに3km〜18kmまでは見通しの良い場所を走るので、風景はたいへんすばらしいのですが日差しを遮るものがまったくなくてそれもまたなかなかつらいものがありました。この日は気温が30度まで上がったようです。


さて。

今回わたしは救護ランナーという役を担わせていただきました。救護ランナーというのは、走りながら周囲に具合の悪そうな方や辛そうな方がいないかを確認し、もしそういった方を見つけたら声をかけたり最寄りの運営スタッフや救護スタッフに引き渡すまでを支援するランナーのことです。

もともとこの大会にエントリーした当時はランニングに関しては調子が非常によくなくて*3走ったところでタイムを狙えるような状態ではありませんでしたので、それであれば普段とは何か別の形で大会に関わってみたいと思い立って救護ランナーに申し込みをさせていただきました。

走りだしてしばらくはさすがに具合の悪そうな方はいなかったのですが、5km、6kmと進んでいくと暑さもあって歩いている方を見かけるようになりました。ただ、上り坂で歩くのは体調不良とはあまり関係ないことが多いので、表情や顔色をうかがいながらちょっとつらそうだなという方にしぼって声をかけさせていただきました。


いま思うとわたしが救護ランナーだということをちゃんと伝えきれていなかったためだと思うのですが、わたしが「体調大丈夫ですか?」と声をかけると身構えられることが多くて(とくに女性)、そこはもうちょっとうまい伝え方というか声のかけ方を考えればよかったなと反省しました。

ただ、救護ランナーなのでもし具合が悪いとか走るのが難しいとかご支援できることがあればお手伝いしますよと伝えると、みなさん一様に「大丈夫です、がんばります!」とおっしゃっていただきまして、救護スタッフのいるところまで連れて行くとかそういった対応をしたケースはありませんでした。

そんなふうに声をかけながらわたしが持参した飲み物やゼリーをサンタクロースのように配り歩いたのですが、いくらリュックを背負っていたとは言え、持ち歩ける数には限りがあったので十分な数をお渡しできなくてちょっと心残りでした。


そんなこんなで19kmまではキロ5分30秒くらいでのんびり走りながらたくさんの人に声をかけさせていただいたのですが、ラスト2kmはとんでもない急坂でして、そこまで余裕だったわたしもあまりにきつくて途中で歩いたり走ったりを繰り返すはめになってしまいました。

がんばってのぼり残り1kmまできたときに、横にいたおじいちゃんがすごいつらそうに歩いているのが見えたので「だいじょうぶですか?走るのがつらいようであれば救護ランナーなのでお手伝いしますよ」と声をかけると、「ちょっと疲れただけだからだいじょうぶ!」というので残り少しだからお互いがんばりましょうと声をかけてその場をあとにしました。

そしてそこから100mくらい走ったところで少し休んでいたら、後ろからさっきのおじいちゃんが走ってきて「兄ちゃん大丈夫か?お先にな!」と笑顔で走っていきました。じいちゃん若いのに心配されたのがそんなに悔しかったのかよwwwと思わず吹き出しながら見送ったのですが、やっぱりじいちゃんはちょっと無理をしていたようで少し先でへとへとになって休んでいました(笑)

あまり無理しないでくださいねーと笑いあいながらおじいちゃんを抜き去り、その先の坂もなんとか走り切って無事完走しました。


おじいちゃんはたぶん完走したと思うのですが、じいちゃんに限らず今回レース中に声をかけさせていただいたみなさんがリタイアすることなく無事完走していたらすごくうれしいなと思います。


まとめ

わたしが栃木に住みだして今年で14年になります。
栃木は本当に住みやすくていいところなのですが、一つだけ不満があるのは「夏が美しくない」ということです。

この感覚はすごく説明しにくいのですが、冬が厳しい土地ほど夏は短くてそして美しいと思っています。

栃木は冬の冷え込みは厳しいのですが、風雪は厳しくないし寒いのは朝と夜だけで日中はとても暖かくて過ごしやすいです。だから冬の厳しさなんて本当に感じることはないし、だから春が待ち遠しいという感覚はあまりありません。

わたしは秋田と山形で24年間を過ごしましたが、どちらも冬の寒さ、雪深さはとても厳しくて冬がくるたびに春がくることを心から待ち望んだし、その先に一瞬だけ訪れる夏は命の躍動が感じられてとてもまばゆくて美しい季節だと感じていました。


今回、嬬恋村に行って感じたのはここもまた長い冬に一年の大半を絡め取られた土地だろうということでした。

そうでなければ、目に映るのもすべてに感じたみずみずしい美しさは説明できません。
荘厳な山々の姿や川の流れる様子、そして目の届くところすべてがキャベツ畑というあのすばらしい風景の全部が夏の日差しで輝いて見えたのは冬の厳しさがあるからだとすぐにわかりました。一年のうちで一ヶ月くらいしかないもっとも美しい季節にこの場所にくることができて、ここで走ることができたことがとてもうれしくてしょうがなかったです。



これはもうもうタイム云々ではなくて、この場所でこの季節に走れたことがもう幸せなことなんです。


帰ってきてから調べましたが嬬恋村は総人口1万人に満たないそうです。



現地のあの会場の盛り上がりというか熱気はそんな人の少なさをまったく感じさせないものでして、まさに村をあげて支援していただいたんだなと改めて感謝せずにはいられません。本当に関わっていただいた方々にひとりひとりお礼を言いたいくらいなのですがそんなことをされても嬉しくないと思いますので(笑)、精一杯この大会の魅力を書き記して少しでも多くの人にこの大会の素晴らしさを伝えることでお礼に返させていただこうと思います。



来年も大会に出られるかどうかは分かりませんが、また夏の嬬恋村に遊びに行きたいです。最高に楽しい2日間でした!

*1:受付終了5分前w

*2:

*3:後日それがは貧血が原因の不調だったとわかるのですがそれはまた別のお話