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「常識破りの川内優輝マラソンメソッド」読んだよ

常識破りの川内優輝マラソンメソッド (SB新書)

常識破りの川内優輝マラソンメソッド (SB新書)

“最強の市民ランナー"として名を馳せる川内優輝選手(埼玉県庁)。

オーバートレーニングで故障してばかりの高校時代、今の姿からは想像できないほど無名の選手だった。
しかし、学習院大学陸上競技部監督(著者・当時)の独特な練習スタイルが、川内選手の陸上人生を好転させた。
本書では、川内選手が潜在力を発揮するきっかけとなった常識破りの練習法から、一般の市民ランナーのための具体的練習メニューに至るまでを解説。

自己記録更新を目指すランナー必読の書!

常識破りの川内優輝マラソンメソッド (SB新書) : 津田 誠一 (元学習院大学陸上競技部監督) : 本 : Amazon.co.jp

川内さんが本を書いたのか?と思って手に取ってみたら大学時代の恩師が書かれた本でした。
川内さんは毎週大会に呼ばれているので忙しそうだし公務員だから副業なんてできないだろうし、そもそも本を書くタイプでもなさそうだなと思っていたのでそりゃそうだよなと。思わず手に取ってしまったことを考えればタイトルの付け方を褒めるべき案件です。


さて。
本書は川内選手の大学時代の恩師が書かれた本でして、高校時代はあまりよい成績を残していなかった川内選手が学連選抜として箱根駅伝に出るに至った練習の秘訣が書かれています。読む前は「川内選手はどこでも伸びるタイプだったというだけなんじゃないか」と思っていたのですが、読んでみたらその印象は大きく変わりました。


本書に書かれている中で印象的だったのは「練習でできないことでも中・長距離は本番でできる」という部分です。


津田さんが提唱する練習は追い込んで強くなっていくタイプのものではなく、一定ペースで走れるようになることに重きをおいたものになっています。レースペースよりも遅いペースでいいからとにかくそのペースで押し切れる力をつけることを目標に組み立てられています。そしてそれができるようになれば、本番ではもっと速いペースであっても走れるぞと書いてあるのです。

いつも自分を徹底的に追い込もうとする川内選手に対していつも「頑張るな!」と怒っていたというエピソードが何度か出てきますが、追い込む練習を続けることは怪我のリスクを高めるのでそれだけは絶対にしてはいけないと言っています。

ただ、わたしもそうなんですがどうしても負荷をかけないと練習した気になれないし、少なくともポイント練習は追い込むくらいやらないとダメなんじゃないかと考えてしまいます。高校時代、強豪校の陸上部に所属していた川内選手もそうだったようで、速いペース・長い距離を走りたがったそうですが、そのたびにたしなめて本人が走れる目指すタイムよりも遅いペースのペース走をしたそうです。

津田さんが繰り返し書いているのはリズムを大事にするために落ち着いて一定ペースで走るということだけでして、本書に限って言えば本当にそれがほぼすべてと言っても過言ではありません。いやもちろんもっとたくさんのことを書いてはいるのですが、コアな部分はそれだけでした。

ここでも何度か書いているのですが、最近「サマーソルトターン」という漫画が気に入っていて先日単行本を全部買っちゃったくらいお気に入りなんですが、この作品の中で「速く泳ぐために遅く泳ぐ」という話が出てきます。

この話が最初はピンとこなかったのですが、最近はランニングについても同じことが言えるんじゃないかと思っていて「速く走るためには遅く走れないといけない」んじゃないかなと考えるようになっています。


遅くても一定のリズムでずっと走ることができるようになれば、その延長に速く走るために必要なものがすべてあるような気がしています。普段よりも速く走ろうとしたときに地面を今よりも強く蹴らないといけないのかと考えるとつい地面を叩くように蹴ってしまいがちです。ですが、実は接地から踏み切るまでの動作を丁寧にこなすことで地面とケンカをすることなくもっと速く走れるようになるんじゃないかという気がしているのです。

そう思うのは去年の夏に縄跳びをしていた時期があったのですが、あのときにすごく地面と仲良く関わる感覚みたいなものを理解しかけたときがあって、地面をつかむような感覚というか地面を蹴るのではなくてつかんで放り投げるような感じですいすい走れたことがありました。

その後、縄跳びを止めてしまってあの感覚は遠い過去のものとなったのですがこの本を読んでからまた縄跳びしたいなと思い始めています。


まだ足の怪我が完治していないので縄跳びは難しいのですが、この本に書いてあった練習も実践しつつ、足が治り次第すぐに縄跳びを再開しようと思っています。


津田さんは練習について「明日も走りたいと思えるくらいがちょうどいい」とおっしゃっていたのですが、こうやってオーバーワークで走れなくなってしまった身としてはすごく共感しました。すべてが参考になるわけではありませんが、考え方や練習方法についてはとてもおもしろい一冊でした。