山形県と秋田県の県境に位置する鳥海山をかけのぼる鳥海ブルーライン登山マラソンに参加してきました。
開催元の遊佐町の名前を聞いてどこにあるかピンとくる人は少ないんじゃないかと思いますが、遊佐町は山形県の日本海側最北端に位置する町です。
このあたり*1は夏場のカキが有名でしてたいへん大ぶりでおいしいです。
生ガキが好きな人には一度は食べていただきたいと思うし、カキの好き嫌いを語るのであればまずはここのカキを食べてからにしていただきたいです。
話をマラソン大会に戻して、今回参加した「鳥海ブルーライン登山マラソン」は遊佐町にあるサンセット十六羅漢の駐車場(海抜0メートル)から鳥海山の四合目(海抜約1000メートル)をのぼるコースです。登山マラソンとありますがトレイルのように山中を走るのではなく、大会の名称にもある鳥海ブルーラインと呼ばれる山岳道路を走ります。
もともとこの週末は6/9に東根市で開催される「さくらんぼひがしねマラソン」に出るつもりだったのですが、偶然その前日にこの大会があることを知ってしまい、同じ山形県で開催される+日程がかぶっていないということもありまして勢いで申し込んでしまいました。
しかもよりによって距離の長い17kmの方を選んでしまいました...*2。のぼりを走るのは嫌いではないしむしろ好きな方だと思いますが、それでも自分には登山マラソンを走るほどの走力がないと思っていました。
それでもあえて登山マラソンを走りたいと思ったのは鳥海山を走りたいと思ったからです。
この鳥海山というのは秋田県で生まれ育ったわたしにとっては幼いころからずっと見知った山です。ところが鳥海山にはもう25年行ったことがありませんでしたし、おそらくこれからも行く機会は決して多くないだろうというのは容易に想像できます。果たして鳥海山を走って登るチャンスがこれからの人生であと何回訪れるのか?と考えたらもういても立ってもいられなくなったのです。
いつ走るの? いまでしょ!!(古)
...
すいません、反省してます。
タイム
まずはタイムのまとめ。
距離 | タイム(1kmペース) | 合計タイム |
---|---|---|
0-5km | 27:19(5:27/km) | 00:27:19 |
5-8.5km(中間) | 20:31(5:51/km) | 00:47:50 |
8.5-10km | 13:12(8:48/km) | 01:01:13 |
10-15km | 30:34(6:06/km) | 01:31:37 |
15-17km | 13:45(6:52/km) | 01:45:23 |
ゴール後、時計を止めるのを忘れていたのでおそらくもう少し速いはずですが、実際どうだかはわかりません。
# ICチップによる計測がないので詳細は不明
後日完走証を郵送していただけるそうなので、それにはタイムが載ってるのかな。
ちなみに順位は64位でした。たしか17kmコースを走った人はぜんぶで150人くらいいたので順位はおおよそ真ん中くらいでした。
まとめ
最初にも書いたとおり本大会はサンセット十六羅漢という海のすぐそばにある場所から鳥海山の四合目までかけあがる登山マラソンです。
走り出して最初の100mくらいは下り坂なのですが、そこから99%はのぼり坂というたいへんハードなコースでした。
走り出して2kmくらいはわりと緩い坂だったので「このくらいだったら何とか走れるかも!」なんて余裕ぶっこいていましたが、その後傾斜が10%以上の坂が何度も何度も出てきてあっという間にヘロヘロに。数字だけで見れば10%って大した坂じゃなさそうに見えますが、実際に走ってみるとまったくシャレになりません..。歩くのもしんどいくらいの急坂です。
それでも走り続けていれば体も慣れてくるもので10kmを過ぎたあたりからはわりと走れるようになってきます。
そして標高が上がると徐々に気温も下がってくるのでどんどん走りやすくなってきます。きついのぼりを走り続けているのに走れば走るほど少しずつ走るのが楽になる感覚はたいへんユニークでおもしろかったです。
そして訪れた標高800mあたりから、何と周囲に深い霧が立ち込めはじめます。
なんだこれは...とよくみたら、なんと霧ではなくこれは雲のようだということにやっと気づきました。海のすぐ横から走り始めたのに、たった1時間ちょっとで雲のある場所まで走って登ってきたという事実には興奮せずにはいられませんでした。これが雲であるということに気づいてしまってからは一気にテンションがあがり、それが最後まで走りきる原動力として活躍してくれました。
そして無事1時間45分ちょっとでゴールへと到着しました。
歩かずに完走できたことをここまでうれしいと感じたのはフルマラソン以来でしたし、こうやって登山マラソンを完走できたことで自分自身の脚力にもっと自信をもっていいんじゃないかと初めて思いました。
非常に達成感のあるマラソン大会でした。
さて。上でも少し触れましたが本大会は10kmコース/17kmコース合わせて190人というとても小さな大会です。
RUNNETやスポーツエントリーに情報は載っていますが申し込みはできなくて直接電話をして資料を送っていただいてから振り込むしかありませんし、そもそも「のぼりだけ」のコースは人気のある「走りやすいコース」の対極にあるわけでしてネットの情報だけでは大勢の人を呼ぶ要素がまったくありません。そんな厳しい大会だと知ったうえでなお大会に出ようという人はもはや走ることが好きで好きでしょうがないという人たちばかりですので、当然みんなものすごく速いんです。
早く自分もあんなふうに速く走れるようになりたいなと思いながら走っていたのですが、そのためにはもっともっと練習しないとな....。
そしてICチップによる計測もなく完走賞も後日郵送という不便さは、利便性という観点からみれば残念な大会であると評されてもやむを得ない要素だと思っています。ところが、この大会に限っていえばそれが大会の個性として感じられる点が非常におもしろいと思うし、わたしはこの大会がとても大好きだと感じました。
受付後に健康診断を受けなければならない点もユニークだなと思うし、好ましいとも思います。
今回が32回目の大会だそうですが、他の多くの大会のように参加者を増やすことはまったく考えておらず昔ながらの方式でがんばっていると思われるところが非常にいいなと。
来年も参加できるかどうか分かりませんが、体調とスケジュールが許すかぎり、もう一度参加して今度はもっといいタイムで完走できるようになりたいです。すべてが最高の大会でした!
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