大田原マラソンの抽選導入について考えてみた


先日参加した大田原マラソンですが、今日のお昼に大会の公式アカウント(twitter)からこんな呼びかけがありました。




わたしは大田原マラソンに出るのは今年が初めてでしたので過去の大会のことはわかりませんが、昨今のマラソンブームを反映してか募集開始から締め切りまでに要する時間がだんだんと短くなってきているため、あまりに短くなるのであれば抽選にしようかということでこの質問となったそうです。



直感的には「抽選はやめて欲しいな」と感じたのですが、その具体的な理由は明確ではなかったので自分なりに意見を整理してみました。


とりあえず箇条書き


思いつく限り、抽選にした場合のメリット/デメリットを挙げてみます。

  • 抽選のメリット
    • 急いで申し込まなくてもいい
    • 当選したらうれしい
  • 抽選のデメリット
    • 確実性がないため、がんばっても参加出来ない可能性がある
    • 落選したときのショックが大きい
    • 「当たらないかも知れないしとりあえず申し込んでおこう」という人が増える
      • 当日不参加の人が増える
      • 特に来年はつくば、富士山マラソンとかぶるので多そう
      • 参加者のレベル維持がむずかしい(これは根拠が弱いけど直感的に)


メリットとしては、最近よくある「申し込み開始直後の争奪戦」に巻き込まれずに済むという点です。

人気のある大会が先着順だと申し込み開始直後はサイトがすごく混みあってまったくつながらなくなっちゃいますが、抽選だと急いで申し込む必要が無いのでそういったドタバタには巻き込まれずに済みます。最近だと、長野マラソンとくしまマラソンは申し込み開始直後すぐに満員になってしまいました。さらに平日の日中に申し込み開始となると時間に余裕がある人しか申し込みができないことになりますし、それに比べたら抽選の方がまだマシかなというのは分かる気がします。

あとは当選したらうれしいというのも一つのメリットではないかと思います。


対するデメリットとしては、当たる/当たらないがある以上、確実に参加できる保証がない点が不安です。

先着順であればがんばればつながる可能性は無くもないというか「参加できる/できない」は参加者の努力次第となりますが、抽選は運任せですから自分ではどうにも出来ません。絶対に参加したい!という人は困っちゃうと思います。


あとは、これが一番心配なのですが、抽選にしちゃうと「とりあえず申し込みだけしておこう」という人が増えそうで倍率がやたら高くなるということも起こりそうな気がします。11月は大会の多い月ですので申し込みの早い大田原にとりあえず申し込んでおいて、実際には同日開催の別の大会に出るなんてこともあるんじゃないかなと思ったり。

このあたりは杞憂に終わる可能性もあると思うのですが、抽選だったら...と考えると懸念事項としてははずせないです。


メリット/デメリット以外の部分


大田原マラソンの魅力はやはり「4時間制限である」という部分にあると思います。

比較的厳しいこのリミットを超える自信がある人だけが参加する大会、そして完走することそれ自体がステータスになる大会というのは昨今の「参加者の間口を広げることに重きを置く==制限を緩くして参加者を増やそうという傾向」とは対照的ですしだからこそ貴重な存在だと言えます。

同じような本気度の高い大会としては、西日本では別府大分や防府読売などがありますが東日本って大田原マラソン以外無いんじゃないでしょうか。不勉強なだけかも知れませんが少なくともわたしは知りません。


先着だと締め切りまでの時間が短すぎる→抽選にしようという発想は自然な流れだと思いますが、大田原マラソンの魅力をより活かすことを考えれば、抽選にするよりも「既に4時間以内に完走したことがある人」や「過去に出た大会のハーフや10kmのタイムで制限を加える」「ウルトラマラソンを完走したことがある」などの実績を見るなどした方がより大会のブランド力の向上につながるような気がします。


もちろんそうしてしまうと、この大会を初マラソンの場として選ぶことがむずかしくなるという問題はありますし、あまり厳しい制限を設けすぎると参加者が大幅に減ってしまうなどいいことばかりではありません。結局は極端すぎずよい落としどころを見つけないといけないんだろうなと思いますし、そこはぜひこれからの半年間で議論を深めて欲しいなと思います。


まとめ


というわけで大田原マラソンへの参加を抽選方式のみにすることは個人的には反対です。


上でも書いたとおり、現在の大会の雰囲気を残しつつ続けるのであれば別大や防府のようにさらに制限時間を短くして参加者をしぼりこむことで混雑を回避するのが現実的な解ではないかと思うし、「人気のある大会だから参加は抽選にします」と言われるよりも「大田原マラソンに参加したい」と多くのランナーが目標にするような大会になる方が長期的にみればいいイメージも残るしお得なんじゃないかなと思います。


というわけで案をまとめました。

  • わたしの案
    1. 基本的には先着順
    2. 参加資格を明確にする(完走証のコピーを提示)
    3. ただし抽選枠はあってもいいと思う(半分くらい?)


最初に抽選反対!と書いてしまいましたが、個人的には最後のまとめに書いたとおり抽選枠自体はあってもいいと思っています。

そうすることで時間的にエントリーすることがむずかしい人への門戸が開かれることになるわけで、このあたりは先着申し込みだけでは救えない人たちへの救済措置となりうるのではないかなと思います。