リセットしないとダメみたい

昨年8月に足底筋膜炎をわずらい、それからの9か月間はずっとその痛みと付き合ってきました。

痛みが出た当初は歩くのもつらいという感じでしたが、慣れというのはこわいもので気付くとその痛みに慣れてしまい、いつしか痛みを痛みと感じることなく走るようになっていました。痛くて走るのを止めていた時期もあったために9月、10月はタイムがガクンと落ちていましたが、12月になる頃には10kmも10マイルもハーフもフルもぜんぶ自己ベストを更新しました。足底筋膜炎の痛みを抱えたまま、足底筋膜炎になる前よりも速くなったのです。

痛いけど走り終ってから冷やせばなんとかなることを学習したわたしは、練習も足底筋膜炎になる前と同じものかそれ以上に厳しい内容にしてまた練習に励むようになっていました。毎月200kmと距離自体は長く走っていないのですが、ビルドアップやインターバルといった負荷の高い練習を多く行うようにして効率よくタイムをのばしていきました。

このころは大会に出るたびに自己ベストが出ました。


足底筋膜炎ではない、別の不調に気付いたのは3月に入ったころでした。

いつも痛みを感じる左足ではなく、右足の太もも前部が異様に硬くなっていることに気付きました。そしてそのせいで走ったときに足が棒のように突っ張るようなってしまい、痛くて走れなくなりました。痛みはわりと強かったのですが、5kmくらい走ると痛みが無くなっていままでどおり走れるようになったので走る前にジョグを長めに入れることにして気にしないことにしました。

その状態でも10kmは40分、ハーフは92分台といままでどおりのタイムが出ていたので、よけいに気にしていませんでした。


ところが3月末には20kmを超えて走ると痛みが再発するようになり、4月になると今度は痛みが常態化するようになりました。

その痛みのせいでキロ5分よりも速く走ることが出来なくなりました。そして10kmを超えて走るのもつらくなりました。
確実に足は走れない足になってきていました。タイムをのばすどころか現状維持すらきつくなっていました。


そんな状態だったので4月20日に予定していたかすみがうらマラソンに出るかどうか悩みました。
おそらく自己ベストは出ないし完走できるかどうかもあやしい。そんな状態だったので出ないことも考えましたが、ずっと楽しみにしていた大会だったので完走だけを目標に出ることにしました。分の悪い賭けでしたが、何とか3時間30分で完走できました。タイムはともかく、ちゃんと完走できたことで足はもうだいじょうぶだと思いました。


フルマラソンを走れたことで、足底筋膜炎に慣れたように右足の痛みにも慣れるだろうと思いました。
いま思えばすごくバカな判断だったと思うのですが、でもそのときは本気でそう思いました。かすみがうらを走ったあとも普通に走る練習を続けていました。


かすみがうらマラソン完走後の最初の大会は郡山シティマラソンでした。

距離は10マイル。
たった16kmだし自己ベストである1時間10分はよゆうでクリアできるだろうとも思っていました。

キロ4分20秒で16km。ハーフの自己ベストと同じくらいのペースであることを考えれば達成できない理由なんてないはずでした。
ところが終わってみれば1時間14分で去年とほぼ変わらないタイムでの完走でした。しかも足がかなり痛んで歩くのもつらいと感じるほどでした。こんなはずじゃなかったのに...。そう思いつつも、自分の足がもう以前と同じではないことをうすうすと感じていました。


そして今日、一ヶ月ぶりのハーフを走ってキロ5分がやっとという状態におちいったところで「いまのままではもう自己ベストは一生達成できない」ことを思い知りました。わたしの足の状態は、足底筋膜炎に苦しんでいたときよりももっともっと悪くなっていると認めざるを得ませんでした。

わたしは、自分は走ることが好きなんだと思っていました。
でもわたしが好きなのは走ることそれ自身ではなく、走る練習をしてタイムを縮めることが好きなんだと分かりました。


もしわたしが自己ベストが出せなくてもいいから走り続けたいと願うのであれば、それはきっとかないます。タイムを期待しなければいまの足の状態でも続けることは可能です。痛みと向き合い、適度に痛みを我慢すれば走れます。

でもわたしはそうやって走ることに興味がもてません。

タイムを短縮するために日々努力をし、本番ではさらにそれまでの努力を結果につなげるためにまた努力をする。そうやって結果を出すことが楽しいのであって、走ることを楽しむことはいまは二の次なんです。


それを念頭において考えてみたのですが、自分にとって走る目的がタイムを更新するためであるとすれば、痛みに耐えて走り続けることはよい選択とは思えません。そんなことをあれこれ考えてみましたが、結論としては一度走ることを休んで足を完治させようかなと。

どのくらい休むのかは分かりませんが、ある程度長期間走ることを休んでしまうといままでの練習の成果はぜんぶ台無しになるのは間違いありません。それを思うとすごく涙目になるのですが、それでも今のまま続けても本来の目的を達成することができないのですからまずはいったんリセットしなければなりません。

今週予定している「ゲレンデ逆走マラソン」と「鹿沼さつきマラソン」はどうしようか迷っていますが、来月予定していた耐久マラソンや登山マラソンの予定はいったん白紙に戻して治療に専念しようと思います。


我慢できるかな...。