ここ2年を振り返ってみて、初めて体調の変化を感じたのはいつだろうかと考えてみるとおそらく2014年10月の柏崎マラソンが最初ではないかと思います。
大会当日は普段よりはちょっと暖かったとは言え、さほど高くない気温、3回目ということで走り慣れたコース、ハーフというさほど長くもない距離という走るには悪くないコンディションでしたが、いざスタートするとまったくペースが上がらないだけでなく、折り返しを前に体調を崩してしまいました。
強風荒れ狂う中走った2013年よりも6分遅いタイムでゴール。散々でした。
2013年 | 2014年 | |
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柏崎 | 1時間32分24秒 | 1時間38分36秒(+6分12秒) |
走り終えた直後に「今回の失敗は暑さと睡眠不足が原因」と分析したのですが、いま思えばこのときに不調の理由についてもっと真剣に考えるべきだったなと反省しています。
その後もそれまでどおり練習を続けるものの調子はなかなかよくならず、走れども走れども速く走れるようにはならず苦しい状況が続きます。足の状態はいいのに速くならないことがとてももどかしかったことはよくおぼえています。
そして柏崎の3週間後に走った宇都宮マラソン(ハーフ)も前年よりも2分遅いタイムでゴールして低調っぷりを実感しました。
2013年 | 2014年 | |
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宇都宮 | 1時間36分39秒 | 1時間38分31秒(+1分52秒) |
「ペース走としてのんびり走った2013年」よりも「もてる力を全部出して走りきった2014年」の方が2分遅いというのは正直かなりショックでした。ハーフマラソンが2分遅いということはキロ5秒以上遅いということでして、つまり200mごとに1秒離されるというかなり大きな差でしてそれだけ遅くなってしまったことにかなりへこみました。
「なんでこんなに遅くなったんだろう」と考えて見たものの、原因としては足底筋膜炎が直ったばかりだったので練習が不足していそうなことくらいしか思いあたらず*1、「じゃあもっと走らなきゃ!」と発奮してさらに練習に力を入れるようになりました。
でも走っても走っても思うように速くはなりませんでした...。
そして宇都宮マラソンの翌週に半年ぶりにフルマラソンを走りました。
2度目の大田原マラソンに挑戦したのですがこの大会は大変悲しい結末に終わりました。
2013年 | 2014年 | |
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大田原 | 3時間25分41秒 | 4時間4分8秒(+38分27秒) |
当日朝の体調は決して悪くはなく、それまで感じていた不調もまったく感じないくらい体全体が軽かったので「もしかしたらこれはいい記録が出るかもしれない!」と興奮して臨んだのですが、結果は制限時間を超える4時間4分でのゴールとなりまして前年よりも38分、自己ワーストよりも20分以上遅いタイムでした。20kmで腰痛を発症し、さらに30kmで足が攣ってしまいもう打つ手なしといった状態でした。これはわたしの人生でも指折りの衝撃体験でしていまだに思い出すだけで胸が苦しくなります。
このときは寝不足とか靴選びが適当だったことが原因だと分析したのですが、いま思えばそんな程度のことでここまでタイムが悪くなるわけもなくもっと根本的なところに目を向けるべきだったと思っています。
その後12月に入って少し持ち直したものの、5km〜フルのどの距離でもよい結果を残すことなく結局4月のかすみがうらマラソンまでひとつも記録を更新することなく走り終えました。今年は花粉アレルギーもひどかったのでその影響もあったのでしょうが、振り返るととにかくひどいシーズンでした。走り始めて2年目にして大きな壁にぶち当たったなと心底落ち込みました。
そしてここにきてひとつ気づいたことがありました。
それは「走ったペースの割に体力の消耗が激しすぎる」ということです。このことに気付いたのは4月に走った2大会「本庄早稲田の杜クロスカントリー」と「かすみがうらマラソン」を走ったことがきっかけになっています。どちらの大会も去年と同じコース、距離を走ったのですが、走り終えた後の体の疲れが昨年とは比べものにならないほどひどかったのです。もちろん去年よりも走力が落ちていると考えれば当然のことなのかも知れませんが、練習量は昨年の同時期に比べて劣るものではありませんし、前日の睡眠時間も十分とっていて、かつ両大会ともに花粉は大したことがありませんでした。さらに当日の走ったペースは昨年よりもかなりゆっくりだったので体への負担はむしろ少なかったはずであると考えると、なぜここまで体へのダメージが違うのかということが気になってきたのです。
2014年 | 2015年 | |
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本庄早稲田(12kmクロカン) | 56分55秒 | 1時間02分51秒(+5分56秒) |
かすみがうら(フル) | 3時間32分04秒 | 3時間52分30秒(+20分26秒) |
タイムの伸びない原因は練習不足、花粉症だとばかり思っていましたが、ここにきて「もしかして自分の体になにか起こっているんじゃないか?」という疑問にやっと思い至りました。
分析
変化の原因を見つけるために、この2年間の自分自身に関するデータをまとめてみます。
どういうデータを持っているのか確認したところ、以下の2つについてであればそこそこまとまったデータがあることがわかりました。
- 練習量
- 体の状態
とりあえずこの2点を切り口に自分自身の変化の原因を探ってみます。
練習の状況
ポイント練習の回数とか負荷の強さとか考え出すと分かりにくくなるので、ここは単純に走った距離で比較します。
月 | 2013年度 | 2014年度 | 2013年-2014年 |
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4月 | 201.4[km] | 205.6[km] | +4.2[km] |
5月 | 190.2[km] | 141.4[km] | -48.8[km] |
6月 | 247.7[km] | 75.8[km] | -171.9[km] |
7月 | 213.5[km] | 153.5[km] | -60.0[km] |
8月 | 155.0[km] | 204.7[km] | +49.7[km] |
9月 | 217.7[km] | 211.7[km] | -6.0[km] |
10月 | 200.7[km] | 231.0[km] | +30.3[km] |
11月 | 201.3[km] | 226.9[km] | +25.6[km] |
12月 | 206.7[km] | 223.2[km] | +16.5[km] |
1月 | 231.0[km] | 236.4[km] | +5.4[km] |
2月 | 205.6[km] | 199.5[km] | -6.1[km] |
3月 | 235.7[km] | 209.7[km] | -26.0[km] |
2013年は8月に1ヶ月、2014年は5月、6月の2ヶ月は練習を休んでいたためにこの時期だけは大きく差が開いていますが、それ以外は大きく差があるところはありません。つまり、2013年度と2014年度で練習量に有意な差はありません。
結論:練習量はほぼ変わっていない
体の状態
人間ドックの結果が手元にあるのでこの中から関係のありそうな項目、変化の大きかった項目を見つけ出してピックアップしてみます。
項目 | 2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | 備考 |
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体重[kg] | 67.5 | 64.3 | 61.9 | 減少傾向 |
血圧[mmHg] | 102/67 | 113/68 | 114/72 | 変化なし |
心拍数[回/分] | 48 | 45 | 60 | 大幅増 |
ヘモグロビン[g/dl] | 13.7 | 13.8 | 12.7 | 減少傾向 |
血清鉄[μg/dl] | 83 | 175 | 40 | 大幅減 |
ヘモグロビンと血清鉄が少なくなっていることから貧血傾向にあることがわかりますし、その影響で心拍数が多くなっていることも読み取れます。体重は減っているというか、2年前は67kg以上あったことにびっくりしました。デブじゃん!!
考察
ここまでの確認をとおして、以前と現在でもっとも違っているのは「体重」と「心拍数」「ヘモグロビン/血清鉄」であることが分かりました。
まず体重についてですが、体重が落ちることで走力が落ちることはないと考えています。
というのも、ランナーの間ではよく知られているのですが体重が1kg違うとフルマラソンのタイムが3〜5分違うといわれています。減れば減るほど速くというのが定説です。もちろん筋肉だけが落ちてしまって体重が減ったのであれば悪い影響が出るかも知れませんが、体脂肪率と合わせて考えると今回の体重の減少自体はまったく問題のない変化だと考えています。
次は心拍数なのですがとりあえずおいておいてヘモグロビン・血清鉄について。
一般的には血液中のヘモグロビンが減少して濃度が下がった状態を貧血と呼ぶそうですので、わたしのいまの状態は貧血傾向にあると言えます。そしてこのヘモグロビンの現象は走る上ではかなりのビハインドになります。
ヘモグロビンが不足すると、酸素の運搬が十分に行われないため、貧血状態になります。足りない酸素を補うために血液の循環が速くなって動悸を引き起こしたり、呼吸運動が盛んになって息切れしたりします
ヘモグロビン量の検査:貧血の種類(鉄欠乏性、再生不良性ほか)を判定
ヘモグロビンが足りなくなることで血液の循環が速くなるよう促され、結果動悸や息切れがひどくなってしまうのです。
血清鉄が不足していることも併せて考えると鉄欠乏性の貧血のおそれがあるのではないかと推測します。
ここしばらくの不調を思い返してみると、脚よりも先にまずは心肺が原因で走れなくなることが多かったです。以前なら多少息苦しくてもがんばって走ることができたのですが、最近は苦しいのが続いたあとで体が動かなくて立ち止まってしまうことが何度もありました。最初は気持ちの問題かと思っていましたが、気合で乗り切れるとは思えないほどの辛さだと感じていました。
それでも少しずつ休みを入れながら走り続けていると今度は足の疲れがピークに達してまた走れなくなってきますし、走り終えてからも疲れが抜けきらないというのも慢性的な貧血状態だったと考えれば納得がいきます。
まとめ
原因はともかく、最近マラソンのタイムがのびなかったもっとも大きな原因は貧血である疑いが出てきたのですぐに検査してもらったところ、ヘモグロビンが11.1[g/dl]まで下がっていることが確認できました。1月の人間ドックでは12.7[g/dl]でしたのでさらに1.6[g/dl]も下がっているようです。
数値的にはもう完全に貧血ですね...。
よくこんな状態でフルマラソンを4時間以内に完走したなと我ながら感心してしまいます。先週完走したときはひどいタイムだと落ち込みましたが、いまはただただ無事に完走できたことに感謝したい気持ちでいっぱいです。
最近の不調が貧血に起因するものであることは疑う余地はなさそうですが、貧血になっている原因を知らなければ対処することもできず、マラソンのタイムは相変わらず低調なままとなってしまいます。それはちょっと困るので今日の午前中に改めて詳しい検査を受けてきました。詳しくは来週の土曜日にわかるそうなので、その結果を受けて貧血の改善に努めようと思います。
大きな病気とかじゃないといいなー(おしまい)
*1:というか、この時点では練習不足以外に原因を求めることは甘えであり責任転嫁だとしか思えませんでした