ルーチンを変えてみる勇気

本当ははが路のエントリーでまとめて書くつもりだったことがあったのですが、あれが予想以上に長くなってしまったので新しくエントリーを起こします。


先日12月20日に出たはが路ふれあいマラソンは12回目のフルマラソンでした。
2013年4月に初めてフルマラソンを走ったのですがそれから2年半が経ちました。2年半で12回というのが多いのかどうかはわかりませんが、この2年半でフルマラソンを走ること自体にはずいぶんとなれたなと思う一方で、フルマラソンの怖さみたいなものはいつまでもぬぐいきれずにいます。


フルマラソンの怖さ。

わたしはフルマラソン以外も走っていて、とくにハーフマラソンには好んでエントリーしています。
ハーフマラソンも20km以上とそこそこ長い距離を走るのですが、ハーフとフルでは走る前の心構えがまったく違います。ハーフは朝ご飯を抜いたり前日徹夜したりして走ってもそこそこ走れますが、フルはそんなことをしてたらまともに走ることはできません。フルをきっちり走りきるためには日ごろの練習を続けるのは最低限必要なことですが、それ以外にも走る何日も前からコンディションを整えなければなりません。


フルを走るための準備。

その内容は人によってまちまちでして万人に共通したものはあまりありません。
練習の負荷を減らして疲労を抜こうとする人もいますし、逆にちょっと負荷をかけて追い込んでおいて超回復を狙う人もいます。それ以外にも水や炭水化物をたっぷりとって体内にためこむウォーター/カーボローディングをする人もいますし、一週間前から睡眠時間をいつもより長めにとってコンディションを整える人もいます。

あとはフルは途中で補給が必要になるので当日の補給食を持ち込む人はその選定・準備も必要ですし、長い時間走るとなると気温や天候を考慮しなければならないのでウェアやシューズ選びもハーフ以下を走るよりもかなり慎重になります。


フルを走るということはこれだけたくさん考えないといけないことがあるわけですが、何度かフルを走った人は毎回毎回これらをひとつひとつ検討するということはしなくて以前走った経験から自分なりの成功パターンを見つけてそれをルーチン化していつも実践するようになります。


たとえば「フルを走る前日はスパゲティを200g食べる」とか「水を5L飲む」なんてのはよく聞きますし、補給食は必ずこれをもっていくと決めているというのもよく耳にします。


わたしはあまりそういうルーチンがなくて、直前に負荷の高い練習をしてしまったり前日のご飯も適当にとっちゃったりといういい加減なタイプなのですが、それでも2つだけ必ずこれは守ろうと決めていることがあります。それは「スポーツタイツは必ず履く」「補給食はゼリーを3つ持参する」という2点です。


「スポーツタイツを履く」というのは、ひざや足全体への負担を考えてフルマラソンのときは必ず履くことにしていました。
実際にはフルマラソン以外の大会でも必ず履くようにしていて大会に出るときの標準装備となっていました。


そして「補給食はゼリーを3つ持参する」というのは、フルは12km/26km/35km付近でゼリーを飲んでエネルギー補給をすることに決めていたのでそのための決め事でした。

いつも持参しているのはこれです。


アミノバイタル パーフェクトエネルギー 130g×6個

アミノバイタル パーフェクトエネルギー 130g×6個


以前、佐野市で6時間耐久マラソンを走ったときに無補給でずっと走っていたらハンガーノックになってしまってひどい目にあったことがあってそれ以来長距離を走るときはこれを持参して定期的に補給するようにしています。


こうやって書いてみるとルーチンというほど大層なものでもないなと思うのですが、毎回変えずにやっていることという意味ではわたしなりのルーチンではあります。



さて。前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、この2つのルーチンについてじつは結構前からずっと変えたいと思っていました。
とくに補給食についてはかなり前から悩んでいてもうちょっと効率化できないかと考えていました。毎回3つのゼリーを持って走るのは負担ですし、何よりも飲んだ直後は血糖値があがっていいのですがその後10分ほどで今度は逆に下がってしまうためあまり具合がよくないと感じていたのです。


ただ、上でも書いたとおりフルはハーフ以下の距離とは違って甘くありません。
実際に試してみればいいじゃん!って思うようなことでもなかなか気軽に試してみるということができないのです。もし試してみた結果、それが悪い方向にはたらいてしまったとすればタイムが落ちるどころか完走すら怪しくなります。ことフルに関しては気軽にあれこれ試してみることがすごくむずかしいのです。


とは言え、実際にやってみないとわからないのは間違いないので今回のはが路ふれあいマラソンでは上記2つのルーチンを変えてみることに挑戦しました。

  変更前 変更後
変更1 スポーツタイツを履いて走る スポーツタイツを履かずに走る
変更2 補給食としてゼリーを3つ持参 補給食としてゼリーを1つだけ持参

書いてみると大したことないなあと感じますが、この決断をするまでにめちゃくちゃ葛藤しました(笑)
直前の1週間はずっとこのことを考えて過ごしたといっても言い過ぎじゃないくらいこのことばかり考えちゃいました。


で、実際にやってみてどうだったのかということをまとめてみようと思います。

変更1:スポーツタイツを履かずに走る


スポーツタイツを履かずに走りたいというのは前からずっと思っていました。
理由は簡単で履くのがめんどくさいからです。


スポーツタイツを履いて走れば長距離を走っても疲れにくいしわたしのようなビギナーにはすごく便利なアイテムであるというのは間違いありませんが、これを履くとトイレに行くのもめんどくさいしピッチリとしていることにすごいストレスを感じます。できれば服は着たくないという裸族であるわたしにとって、スポーツタイツはすごく精神的負荷の高い装備品なのです。


今回はついにめんどくささが勝ち、履かずに走ってみようと思い立ってやってみました。


  内容
良かった点 ・スースーして気持ちよかった
・ストレスなく過ごせた
悪かった点 ・寒かった
・血まみれになった


良かった点は日差しが出て暑くなってきた後半ですごく快適に走れた(足元がスースーして気持ちよかった)ことと、履いてないことですごくストレスなく過ごせたということです。どちらも予想どおりでしたのでこれはもう期待していた結果が得られたと言えます。

対する悪かった点は走り出す前の時点ではすごく寒かったことと、下半身が擦れてしまって血まみれになってしまったことです。
寒かったのはまあいいとして問題は2点目。

今回は走り終えてから宇都宮市内の銭湯に行ったのですが、そこで服を脱いだ時点で下半身*1に鋭い痛みを感じました。もしかして...と思っておそるおそる見てみると真っ赤になっていました。以前から寒いときに走るとたまに似たようなけがをすることはあったのでそれかなと思ったのですが、お湯で洗い流した瞬間にその認識が甘かったことを思い知りました。


死ぬほど痛い....。


あまりの痛みに涙を流しながら何度か洗い流すと信じられないくらいの擦り傷ができていました。
お湯で洗い流したことで少しは痛みも収まったように感じたのですがそれは完全に気のせいでして、その日もその翌日も痛くて歩くことすらままならないほどでした。走るなんてとんでもないという状況です。

昨日病院で薬をもらってきて塗るようになってからはかなり楽になりましたが、それでもまだ走れる気はしません。


せめて冬のあいだはスポーツタイツを履いて走らないとダメだなと思い知りました。


結論:スポーツタイツを履かなくても完走できる脚力は身に付いているが寒いときは絶対に履いた方がいい


変更2:補給食としてゼリーを1つだけ持参する


ふだんゼリーを持参するときはウェストポーチに入れて走っていたのですが、今回は1つだけということで手持ちで走りました。
ウェストポーチを付けていると走りにくくてあまり好きじゃないんですよね...。


今回は27kmから2kmおきくらいの間隔で4回くらいに分けてゼリーを補給しましたが、1つだと足りないなと感じました。
35km以降の失速の原因は間違いなくエネルギー不足でしたし、おそらくゼリーがもう1つあれば回避できた失速だったと思います。その足りない分をエイドステーションでなにか食べて補給すればもうちょっと走れたんじゃないかなといまでは思うのですが、そういった習慣がなかったのでそこに思い至りませんでした。反省。


ただ、いままでのようにゼリーを3つも持っていく必要はないということも減らしてみてわかりました。
あれはちょっと取りすぎだったなということはわかったので、ゼリーを2つに減らすか、1つだけにしてあとはエイドステーションをうまく使うという方法を検討します。



結論:補給食はゼリー1つだと足りないのでもっと考える必要あり


まとめ


やってみた結果は以下のとおり。

  変更内容 結果
変更1 スポーツタイツを履いて履かずに走る ×
変更2 補給食としてゼリーを3つ1つだけ持参 ×


結果から言えば大失敗なのですが(笑)、でも思い切ってルーチンを変えてみてよかったなと思いました。
もしこの挑戦をしなければ間違いなくタイムはもっとよかったと思うのですが、長期的な視点で見ればここで既存のルーチンを見直してよりよりルーチンを見つけようという活動ができたことはすごくよい挑戦だったと思うし、何よりもルーチンを変えようという勇気をもてたことはすごくいいことだと感じています。


その代償は想像よりもかなり大きかったわけですが...。

*1:具体的に言うとチンコなのですが本文では上品に下半身とだけ表記します