栃木県大田原市で開催された第29回大田原マラソンに参加してきました


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栃木県大田原市で開催された第29回大田原マラソンに参加してきました。



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4年連続4回目の参加です。もちろんフルマラソンを走ってきました。


結果


手元の時計で測ったネットタイムです。

距離 時間 合計時間 補足
1km 05:41 00:05:41 スタートロス26秒
2km 04:44 00:10:25 -
3km 04:38 00:15:04 -
4km 04:29 00:19:33 -
5km 04:34 00:24:08 3時間30分のペーサーを超す
6km 04:32 00:28:40 -
7km 04:28 00:33:09 -
8km 04:29 00:37:38 -
9km 04:28 00:42:08 -
10km 04:30 00:46:37 -
11km 04:26 00:51:04 -
12km 04:29 00:55:33 -
13km 04:32 01:00:05 -
14km 04:17 01:04:23 -
15km 04:37 01:09:00 -
16km 04:24 01:13:25 -
17km 04:34 01:17:59 -
18km 04:44 01:22:43 -
19km 04:33 01:27:16 -
20km 04:34 01:31:50 -
21km 04:26 01:36:17 -
22km 04:27 01:40:44 -
23km - - 計測ミス
24km 09:03(4:31/km) 01:49:48 上り坂スタート
25km 04:51 01:54:40 -
26km 04:51 01:59:31 -
27km 04:56 02:04:28 -
28km 04:49 02:09:17 同期に遭遇
29km 04:59 02:14:17 -
30km 05:05 02:19:22 -
31km 04:55 02:24:17 -
32km 05:01 02:29:19 -
33km 04:51 02:34:10 -
34km 04:57 02:39:07 -
35km 05:14 02:44:22 上り坂
36km 04:54 02:49:17 -
37km 05:08 02:54:26 -
38km 04:53 02:59:19 -
39km 05:11 03:04:30 -
40km 05:01 03:09:32 -
41km 05:12 03:14:45 -
42.195km 05:40(4:44/km) 03:20:25 -

5km、10kmごとのサマリーは以下のとおり。


(サマリー[5km])

距離 タイム(平均) 累計タイム
-5km 24:10(4:50/km) 00:24:10
10km 22:27(4:29/km) 00:46:37
15km 22:24(4:28/km) 01:09:01
20km 22:52(4:34/km) 01:31:53
25km 22:49(4:33/km) 01:54:42
30km 24:40(4:56/km) 02:19:22
35km 25:02(5:00/km) 02:44:24
40km 25:09(5:02/km) 03:09:33
42.195km 10:52(4:57/km) 03:20:25


(サマリー[10km])

距離 タイム 累計タイム
-10km 46:37(4:39/km) 00:48:36
-20km 45:16(4:31/km) 01:31:53
-30km 47:29(4:44/km) 02:19:22
-40km 50:11(5:01/km) 03:09:33
-ゴール 10:52(4:57/km) 03:20:25

(サマリー[ハーフ])

距離 タイム 累計タイム
-中間点 1:36:45(4:35/km) 01:36:45
-ゴール 1:43:40(4:54/km) 03:20:25
タイム種別 タイム
グロスタイム 3時間20分25秒
ネットタイム 3時間19分59秒
歩数(歩) 平均ストライド(cm) 平均ピッチ(歩/秒) 平均ピッチ(歩/分)
39,844[歩] 1.06[m] 3.3[歩/秒] 199[歩/分]


合計:42.2km/03:20:25(4分44秒/km)


フルマラソン男子全体では543位、年代別(30代)では141位でした。


前半ののびのびとした走りとは対照的に後半のしんどさといったらなかったです。過去を振り返ってもこんなにつらかったフルマラソンは記憶にないくらい大変な42kmでした。



結果


まずはコースと高低差図です。


コース図

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高低差図


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このコースを走るのは4回目なのでもうだいぶおなじみとなってきました。
ただ、何度走っても「このコースはもう楽勝!」と言わせてもらえないのが大田原なんだな...ということを今回は思い知ってきました。


スタートまで

今回はBブロックからのスタートでした。申告タイムははが路の3時間15分です。
去年は自己ベストの3時間25分くらいで申告してCブロックでしたのでそんなもんなんですね。


朝、現地に到着した時点で風がめちゃくちゃ強くて設置されていたコーンが飛ばされたり柵が倒れたりしていて「こんな強風の中を42kmも走れるのか...」と不安でしたが、スタート直前になっても風はまったく弱まる気配はなく、むしろどんどん強くなっていきました。風の冷たさは想定の範囲内でしたが、強さは想定以上でして去年の柏崎と並ぶくらいの厳しい風でした。


スタート5分前にBブロックの最後方へと並ぶと寒い。
体を動かしていないと風で体温がどんどん奪われます。早くスタートしてほしい...と願いながら待つこと5分。予定どおり10時にスタートしました。


スタート~10km - 46:37(4:39/km)

スタートして10秒ほどは歩いたり止まったりを繰り返していましたが、わりと早い段階でスタートラインを超えました。スタートロスは26秒。
Bブロックだったためか例年よりかなりスムーズにスタートを切れました。

ただ、スタートラインを超えてもなかなか思うようには走れず、しばらくは歩いたり走ったりを繰り返します。競技場内はほぼジョグ程度でしか走れませんでしたが、競技場の入り口あたりから徐々にペースをあげて走れそうな感じになってきました。


競技場の入り口付近には応援のためにたくさんの人たちが並んで大声で声援を送ってくれていてものすごくにぎやかで気分が盛り上がったのですが、さらに走っていくとその先に今回同行した我が家のメンバー3名も沿道で応援してくれていました。今日はスタートは見ないと言ってたのに珍しい!とびっくりしたのですがとりあえず声をかけつつ手を振って競技場をあとにしました。


競技場を出て少し走ると左折し、そこから少し走るとあっという間に1km地点を通過。
最初の1kmは5分41秒とスタートの混雑を考えればまずまずのタイム。とりあえず足が軽かったのでペースをもう少し上げて様子を見ることにしました。ここで走路が少し広くなったものの混雑はあまり緩和されてなくて走りやすさにはさほど影響はありませんでした。


さらに直進して美原交差点を左折してバイパスに合流。
バイパスに入るとさらに走路が広くなったのでかなり走りやすくなったのですが、まだまだ序盤も序盤なので周囲のペースもなかなか衰えなくて思ったほど混雑が解消されません。そこからさらに直進して美原一丁目交差点で左折して少し進むと2km地点を通過。この区間は4分44秒とさほどペースが上がりませんでした。まだまだ混んでるしね...。

そのまま直進すると走路が少し狭くなり、会場の一部である県北体育館の近くで左折すると走路はさらに狭くなってせっかく解消されかけた混雑が元に戻ってしまいました。


ただ、大田原はコースがここ数年は変わっていないのでこのあたりの混雑の仕方は例年同じパターンでして焦らず走ることにします。


小学校のあたりまで走ると3km地点に到着。
この区間は4分38秒と体感とほぼ一致していました。コンディションも悪くないおかげで少しずついいペースになってきたのでこのあたりから周囲の様子をうかがいながら積極的にペースを上げることにしました。前半は下り基調だからなのか、それとも追い風気味なおかげなのか走るのがとても気持ちいいです。


そこからは呼吸が苦しくならない程度にペースを上げていき、無理やり割り込んだりしないくらいの緩い感じで前の人を抜いていくとおもしろいくらいたくさんの人を抜くことができました。3-4kmは4分28秒、4-5kmは4分34秒とペースはどんどん上がっていきます。


5km付近で3時間30分のペーサーを見つけたのでここでさっと抜いておきます。
例年、後半になればなるほど3時間30分のペーサーの周りに大勢の人が集まって走っていてこの集団が抜くに抜けないほど巨大になります。とくに去年はあまりに人が増え過ぎて走路をふさいでいたために追い越すのもかなり苦労したので、そんなふうになる前に抜いておきたかったので早めに追い越せてよかったです。


さて。走り出しから何となく気づいていたのですが今日はめちゃくちゃ調子がよいです。
ペーサーを追い越したあたりでそのことに確信を得たわたしは、今日はとりあえずいけるところまでいってみようと覚悟を決めて呼吸が乱れない範囲で上げられるところまでペースを上げて見ることにしました。


混雑もだいぶ緩和されていたので誰にも邪魔されることなくペース配分は自分で決められます。


ストライドは意識せず、ピッチを無理なく上げられるところまでどんどん上げていき、呼吸が苦しくなりそうだったら少しピッチを落として楽に走れる臨界点を探ってみました。7km地点、8km地点、9km地点、10km地点と通過しながら確認した結果、今日は4分27-30秒くらいがちょうどいいペースだということがわかりました。


もちろん、これだけのペースを楽に走れるのは「前半が下り基調である点」と「今日は追い風もあって走りやすくなっているという点」が関係しているだろうというのはわかっていたし考慮に入れているつもりでした。ただ、それを差し引いても今日の調子の良さを考えればこのペースでずっといけるんじゃないか?というくらい快適なペースだったのでしばらくこのままペースを維持してみることにしました。


左足の甲が少し痛かったし右足の足底筋膜炎にはやや違和感を覚える程度の痛みは感じたものの、ここまで呼吸が一切乱れずかなり好調に走り続けることができました。あっという間に10km地点を通過。


10km~20km - 45:16(4:31/km)


10km地点を通過してもペースはまったく変わらず、4分27秒ペースを淡々と刻んでいきます。
そして12km地点を通過後、本日ひとつめのゼリーを投入。2kmくらいかけて一つ補給しました。


アミノバイタル パーフェクトエネルギー 130g×6個

アミノバイタル パーフェクトエネルギー 130g×6個


今回も補給食はこれです。


13km地点の打ち切りゾーンを横目に見ながら走っていたらペースが少し落ちて4分30秒を超えてしまいました。
少し遅れた分、ペースを上げてタイムを調整しようと次の1kmをちょっと速めに走ったところタイムは一気に4分17秒まで上がってしまいました。下り坂もあったので少しペースを上げすぎてしまったようですが、焦ってペースを落としたところ次の区間は4分37秒まで落ちてしまいました。


何してるんだ...。
こんな感じで前後のペースに引っ張られて意図的にペースを上げ下げするのが一番よくないと思っているので普段はあまりこまめにペースを確認せずに走っていましたが、今日はあまりにペースが一定で走れて気持ちよかったのでついついタイムを見ながらペースを上げ下げしてしまいました。


これはよくないと判断して、とりあえずペースをこまめに確認することを止めて気持ちよく走れるペースを探ったところ16km~20kmの4分25秒~4分40秒前後とかなり幅が出てしまいました。この区間は坂があったり折り返しがあったりといろいろと環境が大きく変わる区間だったので、その都度ペースが大きく変わってしまったようです。

でもペースを気にせず気持ちよく走ったおかげか20km地点を超えてもまったく疲れはなく、このまま残り全部走れるんじゃないかというくらい余力を残して20kmを走り切りました。この時点でトータルのペースがどのくらいなのかはわかりませんでしたが、おそらくキロ4分30秒を少し超えるくらいだろうというのはわかっていました。そしてこのくらいのペースで20kmを走れていることはうれしいのですが、一方でここまで走ってなお呼吸がまったく苦しくない状態にとても違和感もおぼえていました。


普段の練習でこの程度のペースでハーフ以上の距離を走ることはありますが、そのときだってもうちょっと疲れるしここまでノーダメージというのはなかったので自分に何が起きてるのか不思議であれこれ考えずにはいられませんでした。


20km~30km - 47:29(4:44/km)


好調なのかそれともただの勘違いなのか?

追い風+下り坂という好コンディションに恵まれている状況であることは自覚しているつもりでしたが、前日しっかり寝たおかげで体調がいいということもあり、調子よく走り続けるうちに「こんなに走れるのはおかしい」という不安は徐々に「もしかしたらこれが自分本来の走力なんじゃないか」という慢心へと変わっていきます。

20kmを超えてもペースはまったく衰えず、キロ4分27秒を刻み続けます。


そしてたどり着いた中間地点。

ここまで1kmごとのペースはこまごまと確認していましたが、ひさしぶりにここまでにかかったトータルの時間を確認すると1時間36分45秒でした。キロあたりのペースにはすぐに換算できませんでしたが、自己ベストを出した去年のはが路とほぼ同じペースだということはすぐに思い出しました。はが路のタイムは3時間15分ですが、あのときは補給食が足りなくて後半つぶれてしまってのタイムでしたし、何よりも今日はめちゃくちゃ調子がいいと感じていたのでこの時点でほぼ自己ベストが出ることを確信しました。


思い出す限り、大田原で一番幸せだったのはこの瞬間だと思います(笑)
このあとあんな地獄が待ってるとは知らず、なんと呑気な妄想をしてたのかと今となっては笑っていまうのですが、でもあのときは本気で自己ベストを確信していて、あとは3時間10分を切るかどうかというそこだけがポイントだと思っていました。


中間地点を過ぎてもペースはまったく変わらず走り続けます。


23km地点を過ぎたところで補給食の2つ目を開封。
少しずつ飲みながら走っていくと23.5km地点に打ち切りポイントがありました。このポイントを過ぎてすぐ左折するとそこからは上りが始まります。そうです、ここで大田原の下り一辺倒の前半戦が終わるのです。


もちろん大田原は4回目なのでそのことは知っていましたが、いざ左折して上りが始まるとすぐに異常に気付きました。


「あ、これダメだ」


瞬間的にここからはまったく思うように走れなくなるということを確信しました。
坂のきつさは大したことがなかったし風の強さもそれまでと変わらなかったのですが、「上り坂+強風」が同時にきたことでおどろくほど走力が奪われていることを思い知らされました。いま思えば、ここまで「下り坂+追い風」というプラス要素の状況で走り続けていたことが余計に心理的負担となってそう感じてしまったのかも知れませんが、とにかく一瞬で心を折られてしまいました。


とは言え、ここまでこんなに気持ちよく走ってきているので急にペースを落とせるものでもありません。
ほんの10分前までは自己ベストが出ることを確信していたというのもあって、ペースを落とせず2kmほど走ったのですがタイムはどんどん落ちてしまい、あっという間にキロ5分前後がやっとというところまで落ち込みました。


しかもちょっと前まではキロ4分30秒で走っても息ひとつ切れてなかったのに、上り坂が始まると息を苦しく感じるところまでピッチをあげてもキロ4分40秒がせいぜいという始末。どれだけペースを維持しようとしてもキロ4分50秒あたりまでしか上がらず、だからといって手を抜くとあっという間にキロ5分を超えそうになります。


25km地点を過ぎたところで考えたのは「果たしてここからの17kmをキロ5分ペースで走りきれるのか?」ということでした。
そしてこの時点ではその程度のペースですら自信をもって「できる!」とは言えず、そのくらいのペースでは走りたいなと願うことしかできませんでした。


25kmを過ぎると風のあおりを受けやすく、そして遠くまで坂が続いていることが確認できる眺めがよい走路が続きます。
沿道からの応援に支えられながらなんとか走り続けます。30分前までとは別人のように「もう走るの止めたい...」とずっと考えながら走っていました。呼吸が苦しいとか足が痛いとかではなく、とにかく走っていることがつらかったです。がんばってもペース上がらないししんどい...。


そして27km地点を過ぎて少し走ると、不意に「いとっとくん!」と横から声をかけられました。
今回、この大会に出ている人でリアルな知りあいは数名しかおらず、その数名も3時間45分くらいのタイムで走る人ばかりだったのでこのあたりで声をかけられることはまったく想定外でした。誰だ?と思って横を見るとなんと会社の同期のHくんでした。


Hくんとはちゃんと話したことはあまりないのですが、県内のマラソン大会では何度か会ったことがあったので走っているというのは知っていました。しかもわたしよりも断然速くて、フルは3時間を切るかどうかというくらいで走れるというのも聞いていました。


彼が大田原に出ているというのは知らなかったのですが、彼くらいのランナーであれば出ていてもおかしくないし出ているならもっと先にいるだろうと思っていたのでここで会うとは思ってなくてそこでもまたおどろきました。

話を聞くとどうやらこの強風で一気にペースが落ちてしまったようでして、この時点でのわたしのペースはキロ5分前後でしたがそんなわたしから見ても彼のペースは明らかに遅いペースでつらそうに走っていました。

彼ほどのランナーでもこの状況はつらいのか...と思ったらまた気持ちがへこみそうになったのですが、でもわたしはまだまだ走れそうだったのでお互いがんばろう!と声をかけて先へとすすみました。


ここからはもう我慢勝負としか思えないほど風と上りに堪えながら走り続け、遠目に30km地点が見えたときはうれしくて心底ほっとしました。30km地点を過ぎるともう少し広い走路になるので走りやすくなるのです。30km以降も上り基調であることは変わらないし、見通しのいい田舎道であることには変わりはないので風の影響についても何にも変わらないんですが、走路が広くなって多少でも走りやすくなればもう少し楽に走れるような気がしてずっと30km地点を心待ちにしていました。


30kmまで走れば残り12kmくらいなら走り切れるような気もしていたのでとにかく30km地点が待ち遠してしょうがありませんでした。


30km~40km - 50:11(5:01/km)


30km地点を過ぎて少し走ると念願の広い走路!...と思っていたのですが期待してたほど広くはなくてちょっとがっかりしました(笑)
でも何となく走りやすくなった気がしたのでここでペースをぐっと上げてみました。残り12kmしかないのであれば、少しでも速く走った方が早くゴールに着けるじゃん!と思ったからなのですが、頑張ったわりにペースは上がらなかったしでもすごく疲れたしぐったりしちゃいました。

34kmあたりで気持ちが切れそうになったのですが、2年前に足が攣って走れなくなった場所を見たときにあのときのことを思い出してまた走り出しました。


2年前の2014年。
2回目の大田原マラソンでしたが、途中で足が攣って走れなくなって4時間4分というタイムを出してしまいました。あのときは普通に走りたいだけなのに足がこわばってまったく動かず、歩いては立ち止まり、また歩いては足が攣るということを繰り返してゴールへと向かいました。ずっと後ろを走っていた人たちにどんどん越されるのも悔しかったし、ほかの人たちが走っているのに走れないことも悔しかった。


あのときの悔しさを思えば、まだ走れるのに走らないなんてありえないと思ったし、2年前のことを思い出したら自然と走り続けていました。


34km過ぎの坂を何とか上り切り、フラフラと走っているとその先の35km地点で近くにある国際医療福祉大学の学生のみなさんが沿道で応援してくれていました。ここでは毎年たくさんの学生さんが応援してくれていて、去年は冷たい雨が降る中で応援してくれていたことはいまでも覚えています。

今年も本当に大勢の学生のみなさんに応援していただいたのですが、ここで背中を押してもらったおかげであと7kmをきっちり走り切ろうという元気がわいてきました。坂を上り切ったあとのつらい状態だからこそ、あの応援はすごくしみます。すごくありがたいです。


そこからも多少のアップダウンはあるのですが大きなアップダウンはなく、上りは無理せず、そして下りはできる限りペースを上げ、フラットな部分は可能な限りペースを維持して走り続けます。ペースは本当に遅くてキロ5分を超えることもありましたが、周囲の人たちはもっと遅くてこのあたりでもかなりの人を抜きました。


徐々に飲食店やホームセンターなどが沿道に表れ始め、見慣れた風景に変わり始めます。
沿道で応援してくれている方々にお礼を言いながら走り続けていると、あっという間に40km地点が見えてきました。ここまできてやっと完走できそうな目途が立ったなと実感しました。


40km~ゴール - 10:52(4:57/km)


ここまでくるともうゴールは目の前!...というのはわかっているのですが、足がもう動きません。
ただ、30km以降はかなりペースが落ちていることは自覚していたのでとにかく前に進むことだけを考えてひたすら手足を動かします。気持ち的にはキロ4分で走るときくらいがんばっているつもりなのですが、実際にはまったくペースが上がりません。ラップのタイムを見るたびに「こんなにがんばって走っているのになんでこんなペースなんだ」と落ち込み、でも落ち込みすぎるとペースまで落ち込むのでとにかく前を走っている人にすがりつくようにただただ前へと進みます。


ずっと走っていた大通りから左折して少し進むと41km地点を通過。この1km区間のタイムが5分12秒ということにめちゃくちゃへこんでもう歩きたくなったのですが、反省だとか落ち込むのとか走ることに関係のないことはゴールしてからにやろうと心を入れ替えてとにかくあきらめずに走り続けます。するとこんな遅いペースなのに不思議なくらい前にいる人をどんどん抜けるようになりました。おそらくここにいる誰もが限界近くまで自分を追い込んで走っていたためにもはやペースが上がらない状態になっていたのだと思いますが、それにしても本当に走っている人みんながつらそうで、そういうつらそうな人たちの悲壮感あふれる姿を見ていたら「ほかの人に比べたらおれはまだまだ走れそう!」と逆に元気になってきました(笑)

こんなにつらそうでも足を止めずに走っている人がたくさんいるのに、まだ走れるわたしがのんびりしているわけにはいかないぞと気持ちを切り替えてペースアップ。と言ってもキロ4分40秒程度までしかあがらなかったのですが、ペースを上げながらゴールのある陸上競技場へとたどり着き、その勢いのままゴール。タイムは3時間20分をわずかに超えてしまったのですが、まずはちゃんとゴールできたことがとにかくうれしくてたまりませんでした。


まとめ


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タイムだけ見ればPOB(Private Ootawara Best)*1なので悪くはない結果なのですが、気持ち的にはもう完敗というしかないほど打ちのめされました。前半21kmよりも後半21kmのほうが6分55秒も時間がかかっている時点でコースに力負けしたのは間違いなく、ただただ自分自身の走力の無さを思い知らされました。


一方で、じゃあ「前半もっと抑えて入った方がよかったのか?」というとそれは違うなとも思っていて、わたしはずっとネガティブスプリット信者だったのですが今回の大田原を経験したことでその信仰心はまったく無くなりました。ネガティブスプリットよりもポジティブスプリットのほうがいいコースもあって、大田原についてはまさにそれに該当するコースだなと思いました。

だから今回反省すべきは「前半をもっと抑えて後半に余力を残すべきだった」ではなく、「前半もっと攻めて後半はもっと粘るべきだった」です。前半21kmまでであればおそらくキロ4分10秒程度までは無理なくペースは上げられたし、そして気持ちをもっと強くもつことで後半21kmの落ち込みはもっと救えたと思いました。

フルは距離の長さや30kmの壁の存在もあってどうしても後半につぶれないことに重きを置いて考えがちでしたが、コースによっては序盤から攻めていくことも考えるべきだったなと反省しました。


と反省したいことはたくさんあるのですが、そんなことは終わった今だから言えることでして、リアルタイムに状況を判断して考え、そして動いた結果だと考えれば今回の結果は決して悪くないものだと思っています。今回のこの大田原を3時間20分で完走できたことは大きな自信になると思います。


2年前の大田原での失敗や9月に走った100kmの苦い経験がしっかりと糧になっていることを実感できた42kmでした。



(過去に参加したフルマラソンの結果)

大会名 日付 タイム 前回差
第1回加賀温泉郷マラソン 2013/04/21 3時間42分45秒 -
第26回大田原マラソン 2013/11/23 3時間25分41秒 -17分8秒
第24回かすみがうらマラソン 2014/04/20 3時間32分04秒 +6分23秒
第27回大田原マラソン 2014/11/23 4時間4分8秒 +32分4秒
第1回はが路ふれあいマラソン 2014/12/21 3時間29分36秒 -34分32秒
第63回勝田全国マラソン 2015/01/25 3時間35分08秒 +5分32秒
第34回佐倉朝日健康マラソン 2015/03/29 3時間50分17秒 +15分42秒
第25回かすみがうらマラソン 2015/04/19 3時間52分25秒 +2分8秒
第13回柏崎マラソン 2015/10/25 3時間27分05秒 -25分20秒
第5回神戸マラソン 2015/11/15 3時間46分20秒 +19分15秒
第28回大田原マラソン 2015/11/23 3時間26分00秒 -20分20秒
第2回はが路ふれあいマラソン 2015/12/20 3時間15分24秒 -10分36秒
第3回前橋・渋川シティマラソン 2016/04/17 3時間40分00秒 +24分36秒
第14回柏崎マラソン 2016/10/30 3時間26分18秒 -13分42秒
第29回大田原マラソン 2016/11/23 3時間20分25秒 -5分43秒


(関連リンク)

*1:私の造語です